イ号車の運行検査時の写真。
完成したイ号車の運行検査が昭和5年11月20日に箱根に向かって行われた。
この時の模様を東京製作所50年史から引用すると 「当日は午前7時大井工場を出発した。軍部からは技術本部第一部長以下が同行、当所からは根本所長代理以下職工をふくめて30名が参加した。また三菱航空機の舟越会長はみずから箱根へ出張するという緊張ぶりであった。運行は小休止、大休止と難行を続けたが、ともかく第一夜は無事強羅についた。翌21日は御殿場へ向かって出発したが、故障でひっくりかえしたり、キャタピラが折れたりで、ついに軍当局は運行検査の中止を宣言した。」
どうもあんまり芳しい検査内容ではなかったようだ(^_^;)。
なお箱根の運行試験で用いられた 箱根−長尾峠−御殿場
の往復コースは、平地、山坂、屈曲、不整地等、戦車の性能試験に最適だったので以後試験用コースとして長く使用されている。
参考文献:東京製作所50年史 三菱重工株式会社東京製作所
刊
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